【ポケモン剣盾ダブル没案】ツボライド
構築の経緯
いきなりですがこの並び。
一定数の方は少し嫌な顔をしたと思います。
この並びは、通称「メレラキ」と呼ばれるもので、7世代のダブルバトルで一定数いた要塞化構築です。(メレシーがツボツボである、ツボラキも存在します)
簡単にこの構築を説明すると、ドーブルでトリックルームの補助をし、ドーブル退場後にメレシー(ツボツボ)が味方のラッキーにカードシェア。ガードシェアの効果は、技使用者と対象のポケモンの防御、特防をそれぞれ足して半分にする(平均値にする)というものなので、ラッキーの極端に低い防御を、メレシーの高い防御と平均値を取ることで底上げし、並大抵の攻撃では倒せなくなるのです。
その後は、ラッキーの地球投げやどくどくでじわじわ削ったり、丸くなるや小さくなるでさらに要塞化してもよし、というわけです。
そして何よりこの構築の怖いところは、要塞化が終わった後は数的有利がほぼ存在しない、というところです。
相手の要塞化したラッキー以外を倒しきった極端な場面を想定しましょう。こちら残り4体vs相手ラッキーのみ。有利に見えますが、実は7世代までの待ち時間的に圧倒的に不利なのです。
一体当たりの技選択にかかる時間を5秒とすると、相手は選択に5秒、しかしこちらは5秒×2の10秒かかってしまいます。7世代では待ち時間が切れると負けなので、そのまま待ち時間を枯らされてどんなに手持ちが残っていても負けてしまいます。PP勝負に持ち込もうにも、相手が丸くなるを採用しているとそのPPは64。厳しいですね…。
といった感じで、強い要塞化構築であるメレラキ。前置きが長くなりましたが、これをメレシー、ラッキー不在の現環境で再現できないか、というのが今回のテーマです。
パーティ構築まで
要塞化をするにあたって、私が求めたのは以下の3点です。
- HP種族値が高い
- 高速回復技をもつ
- 回避アップの積み技をもつ
1はガードシェアで補えないHPを自身で確保するため、2は要塞化のために必須、3はどうがんばっても追いつけない要塞化ラッキーの耐久の高さを、回避することで擬似的に再現しようというためです。
この条件で探して、今回目をつけたのがフワライドです。
高いHP種族値(150)と、今作で新規習得のちからをすいとるは相手の攻撃を下げつつ回復と相性が良さそう、さらにかるわざ発動からの小さくなるでトリックルームも必要ない、と机上論では最適な気がしました。
となると、相方はかるわざのトリガーになれるフィールド展開系特性のポケモンが良さそうです。そこで、この指とまれでサポートも可能なイエッサン♀を選びました。サイコシード発動でフワライドの特防アップも可能なので良いでしょう。
続いてイエッサンが倒された後に出すのは、ガードシェア要員のツボツボです。小さくなったあとでもガードシェアは失敗しないので心配ありません。
ということで、先発イエッサン♀+フワライド、後発ツボツボ+何かという基本選出が完成しました。
残り一体は、相手を荒らせるパワーのあるポケモンや、ダイスチル・ダイアースで攻撃しつつフワライドの能力を上げられるポケモンが良いのかなと思っていますが、今回はしっくりこなかったので、上記の3体のみ個体紹介します。
個体紹介
フワライド
性格:おくびょう 特性:かるわざ
持ち物:サイコシード
実数値:257-x-82-110-74-126
努力値:252-x-140-0-0-116
- ちいさくなる
- ちからをすいとる
- おにび
- たたりめ
調整意図:HP確保のためH全振り。Sはかるわざ発動でS+1の最速100族抜き(ダイジェット後のリザードン意識)。残りを低いBに。
今回は相手の上から小さくなるorちからをすいとるが出来ることを求めたので、Sに多めに振った配分になっています。削るなら、最速ドラパルト抜きくらいにしてもいいかもしれません。
技は上二つが確定枠。残り二つは相手の火力を下げられ、定数ダメージの入る鬼火と、シナジーのあるたたりめにしました。相手の特殊技がきついと感じたので、ここは瞑想+シャドーボールや無効タイプのない技でも良さそうです。
イエッサン♀
特性:ずぶとい 特性:サイコメイカー
持ち物:ナモのみ(悪技半減実)
実数値:177-x-128-115-126-105
努力値:252-x-252-0-4-0
このゆびとまれでひたすら技を引き付けてフワライドの補助、そしてツボツボに繋げる。イエッサン+フワライドの並びが悪技なら弱いので、悪技を耐えてもう一回攻撃を受けられるように、ナモのみを持たせました。
最初は技にひかりのかべを入れてフルサポートでしたが、攻撃技がないと不便だったので、相手の特攻を下げられるマジカルフレイムを採用しました。
ツボツボ
性格:のんき 特性:くいしんぼう
持ち物:1/3回復実
実数値:96-x-310-30-282-9
努力値:4-x-252-0-252-0
- ガードシェア
- どくどく
- つぼをつく
- むしのていこう
ガードシェアの効果を最大限に上げるためBD振り、フワライドの低いBをより補えるのんきで採用しました。ツボツボに集中攻撃でガードシェアが失敗すると困るので、特性はがんじょうではなく、くいしんぼうにして、持ち物もきのみにしました。
技は確定枠のガードシェアと、今作覚えるポケモンがめっきり減った定数ダメージ用のどくどく、フワライドが守っていても効果のあるつぼをつくと、相手全体への特攻ダウンが優秀なむしのていこうにしました。
HPが低いので、動けてもガードシェア+1回だったので、むしのていこうよりは、より相手の攻撃力を削げるパワーシェアの方が優秀なように感じました。
基本の動き
先発:フワライド+イエッサン♀
イエッサンでこのゆびとまれをしながら、フワライドは小さくなるを積んでいく。余裕があれば、イエッサンで先にガードシェア。
イエッサンが倒れたらツボツボをだし、ガードシェア。ツボツボが残っていたら、どくどくを撒いたり、つぼをつくでフワライドを強化していく。
相手の炎タイプに鬼火が入らないので、極力そちらを優先的に処理すること。
使用感
結論から言うと、現段階(剣盾シーズン5)では厳しかったです。
まず、要塞化ラッキーと比べて耐久が足りません。要塞化ラッキーと今回のフワライドの耐久指数(HP×防御の値)を比べると、
- ずぶといHB振りきせきラッキー(B振りメレシーでガードシェア後
HP357×B(142×1.5)=76,041
- 今回のフワライド(ツボツボでガードシェア後)
HP257×B196=50,372
値は目安ですが全然足りませんね…。イエッサンとのガードシェアをはさんでも53,199なので、いかにラッキーがかたいかがわかると思います。
さらに、ラッキーに抜群を取れるのは格闘技のみに対し、フワライドは電気・氷・岩・ゴースト・悪技と耐性面でもラッキーに分があります。挙げ句の果てに、ダイマックス技は必中…。サブウエポンに多いダイサンダーは、その効果で2発目は1.3倍の威力で飛んできます。厳しい…。
そして1番の問題が、総合時間制という現在のルールです。
シーズン5では、待ち時間7分、全体で20分という制限時間が設けられています。最初は20分あれば相手の7分を枯らせるか…?と思っていましたが、とある試合で要塞フワライド完成させ相手から突破不能にしましたが、制限時間切れで負けてしまいました。(待ち時間はこちらと相手ともに3分ほど残っていた)
こちらの構築は、少なくともイエッサンとツボツボが早期退場するので、数的不利になりやすいので総合時間制では厳しいです。今更なにを言っているんだ、と思われがちですが、使ってみて再確認できました。
長い時間を使っても最終的に不利になりやすいと確証が持てたので、構築を解散したという流れです。
改善案
では、どうすればいいか。ここからは、試していない完全な机上論になりますが、この構築の勝率を上げる案を考えてみました。
今回1番の課題だったのは、数的不利になりやすいため制限時間的に負けやすい、でした。なので、こちらのパーティパワーを上げて相手の頭数を減らすことができれば勝率は上がると思います。
上記の並び以外の1枠として、キョダイリザードンやセキタンザン、マルヤクデなどの定数ダメージを追加で与えられるポケモンを採用すれば、大ダメージ+定数ダメージで圧力を上げられそうです。あとは、どくどく持ちが現環境に少ないので、確定で相手全体を毒にできるキョダイダストダスももしかすると候補にあがるかも…?
また、フワライドを瞑想型にすれば、要塞化しつつ火力も上がるので有利な方向に持っていけるかもしれません。もしかすると、イエッサンを、攻撃力のあるトリル役に変えて、フワライドのSを耐久に回せば、圧力が増すかもしれませんね。初ターンのシードによる特防アップと上から小さくなるはできなくなってしまいますが。
あとは、要塞化後のフワライドに対して自己暗示を絡めるのも面白いかもしれません。ガードシェアの効果は引き継げませんが、回避アップを受けるだけで相手からするとかなり嫌だと思います。問題は良さそうな自己暗示要員が少ないことですね…。エーフィ、ピクシー、ピッピあたりは可能性があるかもしれません。
ルール変更やDLCで使用可能ポケモンが増えたら、考察してみてもいいかもしれませんね。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました!
かなり粗い没案ですが、なにかの役に立てば幸いです。
ではこのへんで!以上、うえすがお送りしました!